体調が悪ければ、当然眠れなくなるのです
ぐっすり眠れるということは、健康の証。逆に言えば、眠れないのは体調が良くないとも言えるわけです。
それぞれの体調不良の症状別に安眠の方法を探りましょう。
59:鼻炎などによる鼻づまりが酷い場合
鼻が詰まると、なんだかやっぱり息苦しい。ついつい口で呼吸するので、口や喉が乾いてしまって、喉が痛くなったり、何度も目が覚めたりして、ぐっすり安眠どころではありません。
口呼吸のデメリットは対策48でも述べている通り。やはり呼吸は鼻でするべきなのです。
鼻づまりの原因といえば、鼻炎や蓄膿症、風邪などがありますが、明らかに鼻づまりが原因で眠れないのならば、耳鼻科医などで治療をすませましょう。
放置しておくと、鼻だけでなく喉も痛めて、気管支炎などの喉の病気を引き起こすこともありますので、早めに治します。
60:花粉症が原因の場合
春先になるとやってくるのが花粉。毎年花粉症に悩まされる人、多いのではないでしょうか。
春先のスギやヒノキだけでなく、最近では晩春のカモガヤ、夏のイネ、秋のブタクサなどほぼ年中、なんらかの花粉で苦しんでいる人が増えました。
そんな花粉症の人の睡眠時、花粉が寝室を舞っているようでは眠れないのは当然です。徹底的に花粉を寝室に持ち込まない対策をしなくてはいけません。
帰宅時は玄関先(屋外)で上着などに付いた花粉をブラシで払い落し、さらに外出時に着た服は寝室には持ち込まないこと。髪や身体に付いた花粉を落とすために、帰宅後すぐ入浴を済ませます。
また、寝室に空気清浄機を置き、稼働させておきましょう。
布団も外で干さず、布団乾燥機を使います。通常の洗濯物も外干しせず、部屋干しか乾燥機を利用。
とにもかくにも自宅では花粉に触れないようにする、これに尽きます。
どうしても症状がツライときは、花粉症向けのアレルギー薬を服用します。
詳しい花粉症対策についてはこちらで。
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61:咳が止まらない場合
ゴホゴホと咳込んで眠れない人もいるかもしれません。咳が続くと苦しい上に非常に疲れます。これでは寝つけるわけありませんよね。
咳の原因は喉、気管の炎症によるものが多いですが、ただの風邪だろうと甘く見て風邪薬を飲めば治るだなんて高を括っていませんか?
気管支炎やぜんそく、百日咳など、こじらせると入院を必要としたり、最悪の場合死に至ることもあるのが「咳」なのです。
苦しい咳が続くようでしたら早めに呼吸器内科で診療してもらい、早期の快癒を目指しましょう。こればかりは自力ではどうにもなりません。医師の力が必要なのです。
62:妊娠している場合
もしあなたが妊婦であるなら、それが安眠を妨げているのかもしれません。
特につわりの時期は、吐き気や頭痛に悩まされるので大変。
また、つわりの症状のひとつに不眠も挙げられます。
つわりに限らず妊娠中はなるべくストレスから遠ざかる生活が必要です。ストレスフリーとリラックスこそが最大の早道。眠くなったときに寝て、眠れないときは無理に寝ようとしないことです。
63:脚がムズムズと不快な場合
聞き慣れない病名ですが、むずむず脚症候群というものがあります。
横になっていると脚に不快感があり、脚を動かしたくなる症状です。不快感にはいくつかあり、文字通りむずむずする感じから、ピクピクとする、痛みがある、かゆくなるなどさまざま。
脚を動かすと一時的に緩和されるので、ちょっとした運動をすると治まるのですが、頻繁に症状が出るためにストレスとなることも多いのです。
上記の症状に当てはまる場合、まずは生活習慣を改善する必要があります。カフェインを避け、飲酒・喫煙を控えて、入眠を妨げない環境を作ります。また鉄分の不足が症状の原因のひとつとも言われていますので、積極的に鉄分を摂取しましょう。そして、適度な運動。特に就寝前に脚を使ったストレッチなどを心がけます。
それでも症状の緩和が見られない場合は、医者に相談します。「むずむず脚症候群」は、筋肉や皮膚の病気とは異なるので、外科や皮膚科に行っても意味がありません。中枢神経に関係するため睡眠専門医か神経内科医にかかりましょう。(脳神経外科、精神科、神経科、精神神経科、心療内科ではありません)
64:脚が痙攣する場合
睡眠中に手や脚の筋肉に一瞬痙攣が起こるために、眠りが妨げられることがあります。周期性四肢運動障害(Periodic Leg Movement Disorder)略してPLMDという名で呼ばれる睡眠障害の一つです。夜間ミオクローヌスという別名もあります。
睡眠中に無意識のうちに股関節を曲げたり、足関節や親指を曲げたり伸ばしたりするもので、先述の「むずむず脚症候群」と合併して発症することもよくあります。
手足の痙攣やピクつきで、目が覚めてしまったり、もしくは目は覚めずとも睡眠を妨げられたことにより熟睡ができなくなったりします。結局睡眠の質が下がり、疲れがとれない日が続くことになります。
痙攣の自覚がない場合、睡眠専門医に相談すれば、終夜睡眠ポリグラフ検査で脚の筋肉の動きを見て判別できます。
一般的には睡眠薬ではなく、痙攣を止める薬をメインに処方されます。